<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて







心臓がおかしい。

優生と一緒にいる時はいつものことなのに、今日は桁違いだ。


「月那」


その声を聞くだけで、その瞳見るだけで蕩けそうなくらい甘くて。

ばく、ばく。

全身が沸騰するくらい熱くなる。


「……んっ」


優生の家に入った途端に重なったキス。

それが耳に、頬に、首元へと移っていく。

そしてチクリ、と首筋にほのかな痛みが走った。


「綺麗についた」

「……っ、ん」

「綺麗だよ、月那。全部、俺のものだ」


独占欲を隠さない言動に私の心が震わす。


身体のラインを指先ですーっと撫でられ、その度に甘い吐息をこぼしてしまう。

自分の身体が、自分のものじゃなくなるみたいに熱くなる。


「ほんと可愛い」


涙目になっている私を見て、優しく笑う。

ただそれだけなのに、糖度のせいか、身体の奥が疼いた。


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