<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
朝まで再び眠った後、優生が私の家まで送ってくれることになった。
その帰り道で優生の顔が険しくなる。
「月那。昨日の人、警戒した方がいい。向こう絶対月那のこと好きだろ」
「簗瀬さんのこと? それはないよ。彼女いるんだし」
「知ってる。でも、彼女いても目移りする人だっているんだ」
そうだ。浮気とか不倫とかがある世の中だ。
簗瀬ハクはSEIRAに夢中だから、そのような言葉とは無縁だと思ってたけど……。
「昨日、月那と会った時、俺のことめちゃくちゃ睨んでた」
桜蘭の総長だったからか、私では気づけなかったことに気づく勘みたいなのがあるかもしれない。
「睨むって、不自然だね……わかった。気をつけるね」
そうして家まで着いて、私は優生に笑顔を向けた。
「優生。今日仕事休みだったよね? よかったら、私の家来る?」
「いいのか?」
「うん、まだ別れたくないし、朔夜にも会っておきたいでしょ?」
「そうだな。ありがとう」