<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
「綺麗……」
透き通る白い肌に毛先を緩く巻いた黒髪ロングヘアの美しい女性が表紙の中で口角を上げていた。
なんとなくそのファッション誌を手に取ると、表紙の端に小さく『表紙を初めて飾ったSEIRAに突撃インタビュー!』と書かれていた。
SEIRAっていうんだ。
初めて表紙を飾ったっていうから新人さんなのかな。
『こんな時だからこそキレイになろう!』
その見出しを見て、パッと脳裏に浮かんだのは優生の笑った顔。
優生は高校生の時からも魅力的でかっこよかったけど、日が経つにつれて大人っぽいシャープな顔立ちに変わり、色気も進化してきた。
しかもその成長具合に拍車がかかっている。
やっぱり他の女性達が優生を目で追ってしまうのは、自然の摂理なわけで。
優生に綺麗って思われたい。
彼と見合う女性になりたい。
他の女性なんか眼中にならないくらい魅力的になりたい。
気がついたら、私はそのファッション誌を目当ての本と一緒に購入していた。