<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
「どこだろう……」
「月那! こっち〜!」
光希が経営しているカフェに入ると胡桃がすぐに立ち上がって居場所を教えてくれる。
「ツキ、ヤッホー」
「光希もお疲れ様。カフェラテお願いします」
「はいはーい」
藤原 光希。
桜蘭の当時の幹部だ。ひとつ年上で、女子が顔負けするくらいとても可愛らしい風貌を持つ。
現在は両親が経営していたカフェを継いでいる。
私のことを「ツキ」と気さくに呼んでくれる数少ない男子だ。
「あれ、月那。メイク変えた? そっちもいいねー」
「ありがとう、雑誌に書いてあったの試したの」
「雑誌?」
「そう、表紙の子が可愛くて思わず買ったの。確かSEIRAっていう名前の……」
「あー、SEIRAね! 最近人気だよね!」
「そうなんだ……初めて知った」