<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて







「“berial”、ね……」


早くもその情報が入った月那はフッとほくそ笑む。

月夜をやってきたおかげで情報はとにかく迅速かつ膨大に入ってくる。伊達にやってきたわけじゃない。

久しぶりに情報収集をしたのだが、やはり世の中のことを知れるのは楽しいものだ。


「パパ……お父さん達も既に追ってるのね」


幼少から呼んできた癖はなかなか直らないようだ。

それはさておき、その捜査で警察とマトリが抱えている情報は月那よりも遥かに少なかった。

つまり捜査が行き詰まっている。

封筒から取り出した報告書を眺めては、月那はなんとかしたいと朔夜の部屋に向かう。


が、その足を止めた。


朔夜は今大学の研究とか論文とか課題に追われているはずだ。

月那も暇というわけではないが、持ち前の頭脳で大学のことは後回しにしても問題ない。


「やってやろうじゃない」


ここは月那単体で動いた方が良さそうだ。






TWO STARS

< 25 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop