<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

『“berial”ってモデル界で流行ってるっていう話だよね?』

「うん、今のところはモデルがターゲットだって。広がるのも時間の問題かも」

『……風の噂だけど、SEIRAが関わっているとかいないとか』


え、SEIRA……?

思わず雑誌がある方向を見た。


「……それは確かなの?」

『調べてないけど、多分。わかったらまた連絡したほうがいい?』


前のめりで「お願い」と言って、私は電話を切った。


芸能界でのツテはいくつかある。

これまで何度も月夜として捜査して培った人脈を駆使すれば、私も芸能界へ潜入できる。


でも今回は月夜としてじゃなくて、服部月那として動こう。月夜が動くってリークされたら、こちらも捜査機関も動きづらくなってしまう。

そういえば桜蘭の時も最初は月夜としてというより服部朔夜として捜査に励んだのよね。


あの時、桜蘭が正体不明すぎたから何もアテにならなかったんだ。

だから朔夜が体当たり精神で夜の街に駆け出したのだけれど。


昔のことを懐かしみながら私は覚悟を決めた。

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