<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

如月(きさらぎ)優生(ゆうせい)


高校1年の時、月夜の潜入先で出会った人だ。当時の優生は桜蘭の総長だった。

桜蘭は約5年前に解散された伝説の暴走族。少ない人数ながら最強であって、素性を知らせない謎多き暴走族で有名だった。


その時も今も優生はヤンキーとか不良とかいう代名詞が似合わない姿見だった。

性格も穏やかで真面目だったし……私はそんな優生に惹かれた。

そして3年もの長い片想いを経てようやく付き合うようになったのだ。


……懐かしいな。

私は優生と電話しながら、昔のことを思い出す。


「……あ」

そういえば、付き合ってからそろそろ2年が経つ。


『月那。どうした?』

「んーん。なんでもない」


記念日のプレゼントを考えないと。

去年は普段使いしやすいようなちょっとお高めなボールペンを贈った。

今年はどうしようか。

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