<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

目に入ったのは、カメラの前でスタンバイしている人達と、椅子に座って威厳を放つ人。

理解が追いつかないまま、威厳を放つ人が立ち上がって私達の方に向かってきた。


「……」


威厳を放っているのは強面の顔だ。そんな方が私をじろじろ見ている。

何かを定めるような視線。SEIRAと同じく真剣な目をしていた。


「やってみるか」

「え……?」








「月那ちゃん! お疲れ様ー!」

「初めての割にはよかったわよ!」


スタッフさんの掛け声で雰囲気が和んでいく。


「……」


……私以外、みんなが朗らかだ。

私ただひとりが未だに状況整理が追いつかず、呆然としていた。


私、一体何をされた……?

< 34 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop