<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
SEIRAはプロ意識が高いだけであって、根はしっかりしていて優しいのだろう。
「あ、SEIRAちゃん。次もまた撮影あるって言ってなかった?」
「あっ、大変! 行かなきゃ! 月那、あなた良い体型してるし姿勢もいいから、これだけで終わらせないでよね!」
直後SEIRAのマネージャーが迎えに来て、彼女は忙しそうにスタジオを後にした。
後ろ姿を見つめながら、なずなに言う。
「SEIRAって、誠実なんだね」
「うん、仕事が大好きなんだって。だからいつも真剣なの。そんなSEIRAちゃんだからみんな尊敬してるの!」
千尋の噂の真偽はまだわからないけど、見る限りだとSEIRAにそんな変わった様子もなかった。
血色も良かったし、薬物に染まっている様子はあまり見受けられない。
もし噂が本当だったとしても今の状態ならまだ依存症も軽症で済む。ちゃんと回復できる。
「月那ちゃん、この後時間ある?」
「うん、今日は大丈夫だけど……」
「久しぶりにご飯食べようよ!」
「……! もちろん!」
そういうわけで、仕事を終えたなずなと一緒に遅めの昼食を取ることにした。