<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
だが、その代わりに辻褄が合ったような表情を浮かべてきた。
まるで、私の考えてることをお見通ししたかのように。
“なずなも何か知ってるの?”
そう尋ねようとしたところで、注文した料理が運ばれてきた。
「ありがとうございます」
「どうぞ、ごゆっくりくださいませ」
一旦場の空気が入れ替わって、私達は和やかな会話を進めていく。
大学のこととか、朔夜と胡桃のこととか、流行りのファッションとか。
いくつ話題があったかはキリがないので数えないでおく。
「話は変わるんだけど」
でも、そんなほのぼのした時間もほんの一瞬。
「月那ちゃんがスタジオにいた理由。実は知ってるんだ」
唐突に。それでもって、さりげなく。
なずなはそう言った。
「“berial”、だよね?」