<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
自分の思考を汲み取られたことに照れ臭くなって「うん」と頷く声が小さくなった。
「というわけで、そろそろお風呂入ろうかな」
『おう。了解』
「おやすみなさい」
私は挨拶をして、電話を切ろうとした。
『おやすみ。大好きだよ』
……が、その前にブツッと無機質な音が耳元に鳴り響いた。
心臓の準備をしていないから、その場で佇むこと数秒。
「え……えっ……」
耳が真っ赤になってしまい、お風呂に入る予定だった身体はベッドにダイブしてしまった。
「……っ、やばいやばい」
顔を押し当ててた枕を胸元で両手で抱きしめる。
天井を見つめながら、しばらく興奮を冷ますために先程読んだ論文の内容をひたすら心の中で復唱した。
……好きになって、また好きになる。
意味がわからないけど、本当にそれしか言葉が思いつかない。