<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
たしかにモデルをやった方が“berial”の捜査が進展しやすくなるだろう。
でも、私は裏方が好きだって言ったはずだ。
それにモデルなんて、専門外のことを上手くこなせるわけがない。
「メイクだって、服のセンスだって、スタイルとか顔のパーツだって、全部揃ってるし。何より自分のことをわかってるわ」
「……!」
「どうすれば良く見せられるのか。どうすれば自分を売り込めるのか。自己プロデュース力に長けてる気がしたの」
尻込む私を見兼ねたみたいな。
私の本質を見透かしたような。
そんな瞳で私を見上げる。
「……だからって、自らスカウトしに来たんですか。やること大胆ですね」
「行動力はある方だと思うの。褒め言葉どうも」
笑みを崩さないまま、続けて言った。
「で、どうする? やる?」
私はひと呼吸おく。
そして首を……横に振った。
「申し訳ありませんが、お断りします」