<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
「健康診断、引っかかったの?」
「失礼な。至って健康体よ」
だったら、気分転換にしても1週間続ける必要がないんじゃないか。
「そう……」
朔夜がそう聞ききたくても、答えてくれないのは目に見える。
月那が話す時はちゃんと頃合いを見て言うから、変に深入りしない方がいい。
だから朔夜は何も聞かずに、支度をして胡桃のところへ向かった。
「それでね、お客様がアドバイスありがとうございますって言ってくれて、やり甲斐を感じたんだー!」
「そっか、楽しそうで良かった」
今日は休日で、胡桃の家でのんびりと過ごす。
新しく始めたバイトが良いところだって嬉しそうにする胡桃を朔夜は優しく見つめる。
……が、今朝の月那を思い出す。
月那の突然の変貌。何かあるんじゃないかと時折考え込んでしまう。
「どうしたの?」
「あ、いや、月那がさ……」
浮かない表情をしていたのだろう。
彼女にここ最近の月那について話した。
「あ! そういえば月那、モデルのオーディション受けるとか言ってたよ!」
「は?」
そこで聞かされた言葉は、朔夜の想像を遥か上回るものだった。
☆
THREE STARS