<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

夜は試す


<朔夜side>


「ただいまー」


月那が家に帰って、いつもと変わらない様子で靴を脱ぐ。

俺はすぐさま玄関に駆けつけて、月那を迎える。


「どうしたの? そんな血眼になって……」

「……」


逆に、あんなこと知って、聞かずにいられる人がいるのだろうか。


血眼になるに決まってんだろ!

モデルってどういうことだよ!?


今でも信じがたいが、それより俺は怒って……いや、拗ねてる。

なんでそんな大事なことを言わなかったんだって。


でも玄関からリビングに向かう間で頭を整理していくと、次第に冷静になった。


「胡桃から聞いた。モデル、始めたんだって?」

「……言わなくて、ごめん」


そのおかげで、狼狽えずに尋ねることができた。

< 58 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop