<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
夜は試す
<朔夜side>
「ただいまー」
月那が家に帰って、いつもと変わらない様子で靴を脱ぐ。
俺はすぐさま玄関に駆けつけて、月那を迎える。
「どうしたの? そんな血眼になって……」
「……」
逆に、あんなこと知って、聞かずにいられる人がいるのだろうか。
血眼になるに決まってんだろ!
モデルってどういうことだよ!?
今でも信じがたいが、それより俺は怒って……いや、拗ねてる。
なんでそんな大事なことを言わなかったんだって。
でも玄関からリビングに向かう間で頭を整理していくと、次第に冷静になった。
「胡桃から聞いた。モデル、始めたんだって?」
「……言わなくて、ごめん」
そのおかげで、狼狽えずに尋ねることができた。