<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
思わずびっくりしてしまった俺に、月那は申し訳なさそうな声で付け加えた。
「ごめん。言われたら思い出すと思うんだけど……」
「えっと、月夜として活動するための条件の……」
月那は「あっ」と声を上げる。思い出したようだ。
当時未成年だった俺達が夜中まで外で出歩くというのは、本当は法律違反なわけで。そして女子がひとりでいるのも危険だ。
だから月夜として動くにあたって、条件をいくつか課された。
一、月那がひとりにならないこと。
万が一ひとりになる場合は、俺に常に状況が伝わるようにすること。
二、危ないと思ったらどんなことがあろうと即座に身を引くこと。
そして、俺もやるからには月那と自分を責任持って守ること。
「でも、月夜として動きたくなくて……」
「ああ、父さんに迷惑かけたくないんだろ」
俺達はそれでずっと活動休止していた。
「でも、月那ひとりで捜査させるわけにもいかない」
父さんの耳に届いたら、大変なことになるのは目に見える。