<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
ましてや今回は芸能界。危険なことが凝縮された場所だ。
余計に単独で動いてほしくない。
「朔夜はどうするつもりなの?」
「やるしかないだろ」
「でも……」
「俺も動いたら、父さんの説得も上手くいくだろ。今回だけ月夜で動くって言えば」
「たしかにスムーズになるけど……」
「どんだけ俺に動いてほしくないんだよ」
俺がどれだけ口にしても、月那は渋った顔をしたままだ。
さっきの話を引っ張るなら、忙しさは月那とそう変わらないからな。
「動いてほしくないわけじゃないの。今回は私情が混ざってるから巻き込みたくないだけで」
「私情?」
月那は俺みたいに感情で動くことがまずない。
あの月那が感情で動くなんて、SEIRAって一体何者……?
気になって、余計なんとかしたいと思ってしまう。