<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
しかし記念日といえばひとつしか考えられない。
まさか、付き合ってたのか……!?
……だとしたら彼があからさまに牽制しにきたのも納得がいく。
「朔夜、おまたせ」
そするとそこへ月那がやって来たので、俺はスタッフの方達に挨拶をしてからスタジオを後にした。
車の助手席に座った月那は早速切り出した。
「SEIRA、どう思った?」
「……ヤクやってるような症状がない。それらしき会話もなかった」
「そうね。人前で話すような話じゃないから難しいでしょうね」
「ああ、初対面の俺に言うわけがない。わかってる」
そんな俺がSEIRAや簗瀬ハクと親しくなっていくには時間がかかる。
これから月那の迎えが増えるけど、だからといって毎回SEIRAに会えるわけではない。
つまり一回一回貴重なのだ。だから次会えた時には、何か大きな収穫を得なければならない。
「なあ、俺達に課せられたミッションはふたつだよな」
「ええ。SEIRAがシロかクロかっていうのと、芸能界に潜む“berial”の売人を見つけ出す」
「……了解」
次会えたら少し仕掛けてみるか。