<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて






その夜のことだった。


『朔夜くん。SEIRAのことで結果が出たから資料渡すね。今日はもう遅いから明日でもいい?』

「いや……今取りに行ってもいい?」

『オーケー。じゃあ、いつものとこで。光希に頼んどくよ』


情報や資料を貰いに行くのは月那の役割だが、もう就寝している。

そんな月那を気遣って、こうして千尋が俺に連絡してきた。

今回の捜査はなずなだけじゃなく、千尋も協力してくれているとのことだ。

明日でも支障はないと思うが、情報をいち早く入手するに越さない。

俺は電話を切って、そのまま外に出た。


「おっ、サク〜!」

「いつもごめん」

「ツキと千尋ならよくわかるけど、サクと千尋って変な感じだね〜」

「そう? ご両親にいつもありがとうございますって伝えといて」

「律儀だね〜。はいはーい、伝えとく〜」


やってきたのは光希のご両親が経営してるカフェ。閉店後にも関わらずご厚意で開けてくださったのだ。
< 76 / 111 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop