<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
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その夜のことだった。
『朔夜くん。SEIRAのことで結果が出たから資料渡すね。今日はもう遅いから明日でもいい?』
「いや……今取りに行ってもいい?」
『オーケー。じゃあ、いつものとこで。光希に頼んどくよ』
情報や資料を貰いに行くのは月那の役割だが、もう就寝している。
そんな月那を気遣って、こうして千尋が俺に連絡してきた。
今回の捜査はなずなだけじゃなく、千尋も協力してくれているとのことだ。
明日でも支障はないと思うが、情報をいち早く入手するに越さない。
俺は電話を切って、そのまま外に出た。
「おっ、サク〜!」
「いつもごめん」
「ツキと千尋ならよくわかるけど、サクと千尋って変な感じだね〜」
「そう? ご両親にいつもありがとうございますって伝えといて」
「律儀だね〜。はいはーい、伝えとく〜」
やってきたのは光希のご両親が経営してるカフェ。閉店後にも関わらずご厚意で開けてくださったのだ。