<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて


「千尋、夜遅くなのにごめん」

「いいって。募る話もあったし丁度よかった」


閉店後なので、店内にいるのは俺と千尋しかいない。


「胡桃はどう? 元気そう?」

「ああ、バイトが楽しいって」

「そっか……ねえ、朔夜くん。胡桃と結婚するの?」

「ぶ……っ、は? 何、突然」


コーヒー吹き出しそうになるのをなんとか抑える。

さらっととんでもないことを訊かないでくれ。


「付き合ってもう5年でしょ? ふたりが真剣なのはわかってるけど、具体的なプランがあるのかなーって」

「あったとしても、なんで千尋に話さなきゃ……」

「へー、あるんだ?」

「……っ」


くそ、ハメられた。


「胡桃の家族は僕だけだからね。朔夜くんの覚悟も改めて聞こうかなって」

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