<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて

胡桃の父親は知っての通り逮捕されてる。

母親は子どもの頃に暴力団の事件に巻き込まれて亡くなったという。

胡桃にとって身近な存在は千尋といっても過言ではない。


「結婚は……」


この先の言葉を言うにはあまりに恥ずかしすぎる。しかも友達に。

真っ赤な顔も、千尋に見られてることだろう。


「今じゃないけど、する」


千尋が心配しなくても、俺は胡桃のことを大事に……幸せにする。

ずっと守っていくから。


「大学卒業して就職して落ち着いたら……改めて挨拶する」


だから安心してと真剣な目で見据えると、千尋はクスッと笑った。


「……よかった。胡桃の相手が朔夜くんで」


これからも胡桃をよろしくね、と言った千尋の声はとても柔らかった。


「それじゃあ、朔夜くん。これ」

「……ありがとう。中見てもいい?」


ようやく本題に入り、SEIRAについての資料を受け取った。
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