<続>双星の煌めきは月夜に魅せられて
「でも朔夜くんはそうするまで胡桃を側にいたかったんだよね。それで胡桃の心に寄り添って薬物依存症から救い出した」
「……」
「僕は朔夜くんに感謝してるよ。少なくとも、僕は間違いだったなんて思わない」
顔を上げて、千尋を見た。
とても穏やかな表情をしている。
「優生だって最後に譲ったのだって、そんな朔夜くんが本気だって伝わったからだよ」
「……うん」
その言葉で俺の気持ちが救われた。
「SEIRAは、誰かに甘い言葉を囁いて陥れる。ひと時の夢なんて、助けたなんて言わないよ。朔夜くんとSEIRAは全く違うから」
「ああ。目が覚めた」
もう大丈夫。平静を取り戻した。
俺は俺の正義を貫く。
大事なものを守り通すことに一点集中する。
「後は任せろ」