鬼課長も婚活中~イケメン好きで何が悪い!?~
私達、婚約しました!
「宮下。あの人とは、もう二度と会うなよ?
見たら気づかれる前に逃げろ」
課長は、こちらを見るとキレたように怖い表情で言ってきた。
えっ?何?手紙に何て書いてあったの!?
何故キレているのか分からず困惑する。
「えっ……は、はい」
「食べかけの料理を温め直すから待っていろ。
まったく……あの人ときたら相変わらず」
課長は、ブツブツと文句を言いながらキッチンに行ってしまう。
逆らうと怖いので、課長の指示に従うことにする。
しかし、その手紙が気になったので私は、こっそりとごみ箱からその手紙を拾い見てみると……。
『不知火君へ。お邪魔になるといけないので、このまま帰ります。
菜々子ちゃん狙っていたのに先起こされて残念。
でもフラれたとしても安心していいわよ。
後は、私が菜々子ちゃんを大切に可愛がってあげるから♡
まぁ、上手くいっても私は、気にしないけど(笑)
沙夜より』と書かれていた。
「……沙夜さん……」
……なるほど、課長がキレる訳だ。
チラッと課長を見るとまだブツブツと言いながらレンジで天ぷらを温めていた。
何だかその光景が可笑しくて笑えてしまう。
課長も可愛い所があるんだなぁ~と思った。
そして私と課長は、改めて付き合うことになった。
恥ずかしさ半分、嬉しさ半分だった。
その事を数日後。私は、結婚前提で付き合う事になった事を真美子と美希に報告をした。
「へぇ~良かったわねぇー菜々子。おめでと~う」
「これで、菜々子の年貢の納め時か。
良かったわねぇ~菜々子。後は、結婚あるのみね。
で、いつ式を挙げるのよ?」
美希と違い真美子がぶっ飛んだ事を言ってきた。
真美子……気が早いから。
いくら何でも付き合った直後から結婚って……。
「真美子。それは、さすがに気が早いわよ。
私達は、まだ付き合ったばかりだし」
「何を言っているのよ!
あんたの事だから、のんびりしていたらまた他のイケメンに夢中になってしまうじゃないの!?
それに、もう気心知れている訳だし、さっさと結婚しちゃいなさい」
「……うっ!!」