きみのこと、極甘にいじめたい。
燃やして消す
◇
家に帰ってすぐ、理太に問う。
「で。理太は何しに学校にきてたの? 転入するのは明日でしょ?」
「書類に不備があったとかで呼び出されたんだよ。それよりコレ何?」
「特製ジュースです」
「なんで?」
「同居を黙ってくれて、親戚ってことにしてくれたから、その場を乗り切れたし……お礼です」
「ふーん。さんきゅ」
家のリビングで、あたしが差し出した緑の飲み物をなんなく受け取る理太。
ふ、マヌケな同居人め。
へっへーうそだよー。それは激マズドリンクです。
『学校で一切あたしに絡まないで』ってあんなに頭下げて頼んだのに、転入前の段階でそれを破ったこと、許さないんだから!
この人は、夏八木 理太、来週から同じ高校に転入する、同い年の二年生。
両親は事実婚で夫婦別姓を選んだから、あたしと理太は元のままの苗字だ。
理太とは中学の時に出会い、中1の約一年間同じクラスだった相手で……悪いことに、あたしが告白してしまった例の相手なんだ……。
そう、つまりこいつのせいで、親友たちに仲間外れにされたと言っても過言ではない。