きみのこと、極甘にいじめたい。

生贄は嫌われる




今日からバイト6連勤だな、なんて絶望的な気分で登校していたら、「おはよっ」って後ろから肩を叩かれた。


振り返ると、わかなが居た。


あたしより高い身長の彼女。


巨乳美人という最強の容姿をしているのに、さらに性格は明るく優しい人望の塊ときた。わかなはダンス部の次期部長候補らしい。


とにかくそんなわかなが、いつもの数倍輝いて見えるのは、何で?


「おはよ……、なんかわかな、目、キランキランしてない?」


「え!?」


「なんかいいことでもあったの?」


「素直、なんでわかるのー!?」


両頬に手を当てて、見開く目が明らかにきらきらしてるからだよ!


「ちょっと聞いて」と小声で会話しながら、通学路を歩いている。


「実はね、理太の誕生日にメッセおくったんだけど、」


「理太!? って夏八木理太!?」


「うんうん。なんでそんなびっくりするの?」


「いや、なんでもない。……あ!」


もしかして、理太に電話かけた相手って……わかな?


「電話はしたの?」


「電話?してないよ! メッセだけ! ねーほら、これ見てよ!」


と差し出されたスマホのトーク画面。


読んでいいのかな!?って迷ったのは一瞬だけ。


だって見たいもん。

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