きみのこと、極甘にいじめたい。

じわじわと冷や汗が噴き出ている。


なにか、何か言わないと……。


ドクドクと臆病者の心臓が鳴っている。


どんどん頭が真っ白になってしまって……。



「抜け駆けすんなよ!」



「抜け駆けって? 意味わかんない。順番待ちしなきゃいけないの?」


「こいつまじ何なの? ちょっと顔がいいからってさぁ」



険しい顔した女子の手がこちらにのびて、


ーードン、と肩を押されたわかなが、尻もちをついてしまった。




その光景が、あたしの頭をスパンと叩いてくれた気がする。


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