きみのこと、極甘にいじめたい。

「んんんんんんんんんーーーー!!!!!!」



「覚えといたほうがいーよ。食べ物と俺で遊ぶと、バチが当たるってこと」



ふわふわとした甘い笑みが、涙ごしに見える。



鼻に抜けるつーんとしたわさびの辛さと、あおさの磯臭さと、生のブロッコリーの青臭さが主張してくる!



絶対に飲み込んではいけない味をしている。


それで、人間の防衛反応ってものはすごい。



喉が受け付けない!



人前で口から出すなんてお嫁にいけないと思って、トイレに駆け込んだ。




――ジャー。




……ああ、もう最悪だ。


だから理太なんか、きらいなんだ……。



「……口が……もげる……痛い」


へろへろになってリビングへ戻ると、理太は"だいじょうぶ?"の一言もなく。



「自分で作ったリンゴジュースでしょ」


そう、白々しく言われた。



「……く」


「暇だし映画でもみようかな。素直も一緒にみる?」


「見ません!」



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