きみのこと、極甘にいじめたい。
居心地の悪さを感じて、理太から視線を逸らす。


多分、理太は……あたしがハブられていたことを知らないんだと思う。


……みんな、やり方が巧妙だったからな。


いつもと変わらず友達と同じ輪にいるのに、あたしの存在だけを無視されるってやり方はね、本当に死にたくなる。


「どうした? 素直?」


いけない、表情が死んでたかもしれない。



慌ててスマホを構えて、



「……なんでもないし。ほっといてよ」



つんと言い放ち、あたしは灰皿を撮影。カシャ。



素直(なんか燃えちゃった)

続けて、灰皿の中で灰になったメモの写真を、ポンと送る。


あーや(笑笑 やばい笑い死ぬ)

わかな(ぜったいわざと燃やしたでしょ!笑)

あさみ(素直だけは最高)



よかった。みんな楽しそう。


結果的に燃えてよかったのかも、とホッとしたその時。



「……性格が悪くなったもんだね。中学の頃は名前どおり素直だったのに」


「なっ! 見ないでよ!」



っていうか、そういうあたしに成長させてくれたのは、アンタなんですけど……。



とも言えず、もごもごと口をうごかし、反抗的な目だけはいっちょ前に理太を睨んでる。




すると、



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