きみのこと、極甘にいじめたい。
内心大パニックなあたしに対して、理太は平然としている。
なんなの……理太め。
少しくらいドキドキしなさいよ。慣れてんの…? もう、理太らしい。経験値ちがいすぎ。
……っ、くやしいです!
「素直ってこんなちっちゃかったっけ」
「り、理太が背のびたんでしょ。何センチ?」
「180。素直は157くらい?」
「ぴたり賞だよ、チャラいひとってこわい…」
ていうか180もあるの?
背ってそんないらなくない?
「そういえば理太って中学生のころ、よく給食の牛乳飲んでくれたっけ……」
「素直、牛乳嫌いって言ってたもんね」
「あー……ねぇ?」
実はあたし、牛乳は嫌いじゃない。むしろ大好きだ。
でも理太が牛乳好きだから、あげたかったんだ。
少しでも理太と絡みたいって思う乙女心が「じつは牛乳苦手なんだ。飲んでくれる?」なんて大嘘をつかせたんだよねー。
なつかしー。