きみのこと、極甘にいじめたい。
「きゃ、何するの……!? んっ」


せっけんの香りが近づき、鼻先をかすめて、


理太の唇が首に触れた。


次の瞬間、熱い痛みが走っていく。



「痛っ……何、して……」



声が止まってしまったのは、理太から尋常じゃない色気を感じたから……。


あたしから離れた理太は、艶然(えんぜん)と微笑みながら、あたしを見下ろしている。



「誰かさんに警戒心がないなら、他の狼に攫われないように、俺が気をつけるまでだよね」



……だから、キスマーク。



そう囁かれて、体が沸騰したみたいに熱くなる。



「素直は、もっと俺のこと男って意識しないとね」




あまりの刺激的な……おそらく教育に、頭が真っ白になったあたしは、




きゃああああああと叫んで部屋から飛び出した。



……勘違い女製造機が絶好調に稼働してる。



やばい、この心臓の鳴り方はやばい。



狂ってる、理太……。


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