きみのこと、極甘にいじめたい。

ちょうどそのタイミングでお父さんたちが帰ってきたから、お風呂をおいだきしないと!と思って、ふと気づいた。



「そういえば、お風呂のガスって、お風呂場でもスイッチを入れなおせるよね……」



思わず独り言をつぶやくと、



「あー、気づいちゃった? ガス切られた瞬間つけなおしたよね」



その声に振り返れば、馬鹿にするような笑みをうかべる悪魔がいた。



廊下の壁にもたれて腕組しながら、あたしを見下ろしている。


「え……でも体あんなに冷えてたじゃん……!」


「俺、もともと体温が低めなの」


「くっ」



じゃあ、あっためたあのベッドでのこととかは……。



「健気にあっためてくれてありがとね」



憐れみにも似た表情と、頭ポンするこの手は何!



「~~、……なにそれ、むかつく……!」



「早く寝よ。明日から新学期だよ。寂しくなっちゃったら、呼ぶからね」



ひらひらと手を振る、そこの男子!



「ぜったい行かないから! 理太の、ばきゃ!」


「”ばきゃ”」


「……く」


くつくつと肩をふるわせる理太。



ほんと、この男だけは、絶対に許さない!!



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