きみのこと、極甘にいじめたい。
「ねー理太、サラダとスープはおいしかった?」


「いつもどおりおいしかったけど……」



まさか、ほかにも何か入れたの?



この魔女怖い。
だいたい異物混入って犯罪だからな。


ぞくりとして自分の両腕を抱える。



素直はほっとしたようにふにゃっと笑っていて…。ねー、気が抜けるよ、その顔。



「よかったー。いつもおいしいとか言ってくれないから不安だったんだよ」



そう言われて俺は、やっとハッとした。



「朝食って、いつも素直が作ってんの?」



「そうだよ。え、今さら?」



不服そうに眉根を寄せる素直。



「だって理太、育ち盛りだし、あたしばっかりご飯食べて太りたくないし! ていうか……ご飯は一緒に食べたいし」




うかがうように見上げるその大きな目。



「今の……やばいね」



ぐわっと心臓掴まれたかも。



そのまま素直の腕を引いて、「わ」と俺に倒れ込んだところを抱きしめる。



「……いつもありがとう」



ぎゅー……。


いとしすぎ。


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