きみのこと、極甘にいじめたい。

「わ、わかったから、離して！」


「ねー、聞いた？　俺達同じクラスなんだって」


「うん聞いた」


嫌そうな顔するね。どーなのそれ。傷つくんですけど。



「ていうか、離せ、ばか理太ぁ！！」



じたばたとする素直をそっと離すと、俺を睨んできた。



「そんな真っ赤な顔で睨まれても、ぜんぜん怖くないし、むしろ――」



つーと、頬を撫でて笑う。



「――そんなの逆に好き」



「……！！」




がばっと起き上がった素直は、真っ赤な顔で踵を返したと思えば、立ち止まって。



「……っ、絶対に、お願いだから、あたしに話しかけないでね……！」



そう切願してから、逃げるように走っていった。