きみのこと、極甘にいじめたい。

まぁ普通に腹痛なんて嘘なんだけど……。



そうやって遅れてクラスに入った瞬間、



「ぎゃあー！イケメンきたああああ♡」



取り囲む女子たちに耳をつんざかれた。



「そんなイケメンじゃないって」



こうして迎え入れてくれた子達に、呆れ笑いで返せば、



「え……♡　謙遜？」



うっとりとそう返される。



「……まぁ、そういうんじゃなくて。てか俺の席ってどこかわかる？」


「ま……♡　頼られた！？」



「うん、頼ってる。席教えてくれる？」



「きゃあー♡」



親切な子たちがおおくてよかった、そう思いながら案内された席につく。


素直はどこかなーっとクラスをぐるりと見渡せば、明らかに一人、視界を遮る様に教科書をついたてにして首をひっこめている女子を見つけた。



そんなに他人でいてほしそーにされたら、意地悪したくなるとこだけど、


俺の理性が頑張って止めてくれてるよ。よかったね。