きみのこと、極甘にいじめたい。

「理太、知ってたの!?」



この前その話題になったときも、『実は牛乳好きなの』なんて白状するわけもなく、隠しきったはずなのに!



すると、あたしを見る理太の目は呆れっぽく細まった。



「……俺をあざむこうとするなんて、百万年早いんじゃない?」



……その微笑にくらっとする。




「い、いつ知ったの? 最近?」


「中学の時から、なんとなく気づいてた」



「えーーーー! じゃああたしが全然飲める牛乳を『牛乳飲めないの~』なんて大嘘ついておしつけたことも、知っていたと!」



こく、と静かな肯定。



そんな馬鹿な!



……え?恥ずかしいんですけど。



そんなの突然、”好きな人の前で牛乳飲めないキャラを演じた”っていうあたしの黒歴史になってきますけど……。




「だったらなんで断んなかったの!?」



理太は、それに対して、「うーん」と考えたかと思えば



「……愛情?」



優しい微笑を浮かべて首を傾げる……。


っ、ばかやろう!



……きゅん。とあたしの左胸が誤作動した。



はー……ずるいんだよ、やさしいんだよ、理太は……。




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