きみのこと、極甘にいじめたい。
◇
そして、「1限が始まっているんだからどうせ誰にも会わないでしょ」という理太の抑揚のないごり押しであたしと理太は一緒に登校している。
……理太、ちょっと満足そうにしてるかも。
あたしに蹴散らされるのが本当に気にくわないんだろうなぁ。
ちやほやされて生きてきてそうな人だもんね。そりゃそうかー……。
と、論理的思考を巡らせているのにもかかわらず、にじみ出てくるヨコシマな心。
理太。されど理太、一応過去のあたしの好きだった人。
だからだろうか、動悸が止まらない!
太陽に輝く、はちみつ色のきれいな髪。
いい感じにゆるんだネクタイとか、なんかこう、どっかゆるい着こなしが……超イケメンで、ドキドキしちゃうんですけど。
そんなクレームは言えないから、風紀委員長みたいなことを言うことにするね。
「理太はなんでもっとちゃんと制服着ないの?」
「だって俺、このほうが似合うから」
「……」
その通りだよ……。むしろ大正解だよ。もう何も言えない。