きみのこと、極甘にいじめたい。
「ねーなに、その顔? ドキドキしてくれてんの?」


「な!」



顔、覗き込まないで!



「俺の妹はすぐ真っ赤になるよね。ウブだねー。さすが、初恋もまだ(、、、、、)の女子高生」



……く。



そのいじわるな目……“とかいって、俺のことすきだったくせにぃ”ってバカにしてるんでしょ!




古傷は抉られたくない。



冴えたあたしは、話題を切り替えた。




「ていうか、“妹”っていうけど、本当にあたしが下なの? 理太の誕生日っていつ?」



「……4月14日」


「あーそうだった……」



だからあたし、無意識に「4」って数字が好きになったんだ。



「って、もうすぐじゃん」



「それより俺の誕生日忘れてる素直ひどくね?」



「ほかにも覚えることは山ほどあるからねー」



「……。仮にも好きだった人の誕生日なのに」



「……おだまり」



その口は、何も言わなくていいんだよ。



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