きみのこと、極甘にいじめたい。
窓から吹き込む春の風が心地いい。
散歩する感覚で、朝の澄んだ空気を吸い込んでなんとなく歩き続けてみた。
かなり歩いて自販機用のごみ箱を見つけたときにはすっかり道に迷っていて。
いつのまにか俺は別館の職員室前にたどり着いていた。
いや俺じゃなくて、この学校の造りがおかしーんだよ。
と頭の中で言い訳していたら。
「しつれーしましたぁ!」
職員室の戸口から勢いよく出てきた姿に、どきりと心臓が鳴る。
「あ……素直だ」
思わず呟くと、俺の声を聞いた瞬間警戒心をむき出しにする素直が、きょろきょろと周りを確認して……それからようやく、小さく声を出した。
「理太こんなとこで何してんの? ずいぶん前に教室から出て行かなかった?」
「へー、見ててくれたんだ?」
「く」
うれしー。
それで、その大量のノートは何?