きみのこと、極甘にいじめたい。

SIDE 素直




理太は目立つ。



いつの間にか視線が向いてしまうような容姿と雰囲気をしているから。


理太も歩けば、女子に当たる。


そんな頻度でいろんなクラスの女子に囲まれては、持ち前のお軽いフットワークで話している。



とにかく、理太って存在自体が油断禁物でしょ?



だから、『先生のパシリって名義なら別に二人で教室に入ったって不自然じゃないでしょ』


と言われても「そうだね!」なんてうなずけるほどあたしは馬鹿じゃない。



つまり、どうしようもなかったことなの。



だから、理太、早く機嫌なおして。



そう思いたくなるほど、あれ以降の理太はすっかり拗ねている。



友達に当たるようなことはしないけど、ずっとふてくされたような顔をしては、ふて寝してを繰り返している。



あたしにぞんざいな扱いを受けるのが許せないんだって、身にしみてわかった。



これからは気をつけるよ……。



【ごめんね】とメッセを3回送ってようやく返ってきた文字は、


【 × 】


バツ!



もうわかんない……。超こわい。



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