きみのこと、極甘にいじめたい。
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◇
朝5時。
――パチ。
目をあけると、理太がそこにいた。
目の前に居た。
「ぎゃあああ!!」
「……おはよ、うるさ……」
耳を塞ぐ理太は、あたしに抱き着かれている。
もう一度叫びながら、理太を跳ね飛ばしてあたしは起きた。
「痛……」
「ごめん……! そうだ、忘れてた。昨日はあたしが理太にお願いして一緒に寝たんだよね……」
って、待て。
「違う! また騙したんでしょ! あの音の正体、理太なんでしょ!?」
そう聞けば、悪びれることなく縦にうなずく、この悪魔……。
「俺のいたずら心を煽ってくる素直が悪いと思うけど」
「な、理太って最悪……っ!」
むっと口を尖らせたら、理太は目をほそめる。
「仕方ないじゃん……かまいたくなんの」
――ドキン。
そんなこと……言われたら。
「だってどんな簡単な罠にもはまってくれる逸材だからねぇ、素直は」
寝ころんだまま、こちらに手を伸ばしてきた理太は、つーっと親指で頬を撫でてきて、にやり……。
……このやろう。
「って何よこの手は……!」
パシっと叩き落としてしまうほど、余裕ないあたしを、理太は笑う。
「痛……。ねー、前も言おうと思ったけどさ、人って叩いちゃだめなんだよ?」
そんな教育を施しながら、しれっと……
――ちゅ。
唇の柔らかさが手の甲に触れて、寝起きの心臓が混乱してる。
「な……っ!」
火に触っちゃったような勢いで手をひっこめて、口をぱくぱくさせる忙しないあたしを、彼の上目がやけに色っぽく捉えた。
「……起こして?」
ドキ。なんだこれ……。
なんでこの人ってこんなに破壊力があるの……!?
魔法使い理太の言葉に従わされて、理太を引き起こした。