きみのこと、極甘にいじめたい。

「「……映画のチケット?」」


「今から出れば余裕で間に合うし、夕飯もたまにはふたりでゆっくりすごしてよ」


「「理太」くん……っ!!」


待って、この人……。

自分の誕生日なのに、親にプレゼントを……!?


感謝を……!?



なんてできた息子さんなんでしょう……。


ちょっとハンカチくださいな。


誕生日なんて、自分が祝われるためにあるとばかり思ってた自分を恥じたい。


両親を見送って、静かになった部屋。


心優しい天使、理太に感動の旨を伝えようと口を開いた、その瞬間。



「……さーて。邪魔者は追い出せたね」



隣に立っているのが、悪魔だとやっと気づいた。



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