アメリカで誘拐された時の脱出方法!
あたしは何度も深呼吸を繰り返し、未だに縛られている両手を見つめる。こんな縛られてトランクの中にいる状態なら脱出なんて無理だと多くの人は諦めるかもしれない。でも、この国ならトランクから脱出できるんだよ!

どれだけ走ったのか、どれくらいの時間が経ったのかはわからない。でも、車の動きが止まった。あたしはドキッとして周りに意識を集中する。どうやらアルフレッドが車を停車させたみたいだ。恐らく、飲み物を買いに。

チャンスは今しかない。本能がそう言った。危険かもしれない。トランクを開けたらアルフレッドがいてこの場で殺されるかも……。でも、そんなことに怯えている間に脱出のチャンスは消えてしまう!

あたしは「大丈夫、あたしはできる」と繰り返しながらトランクの中にあるレバーを探す。トランクを中から開けることができるレバーだ。

アメリカでは、誘拐された被害者がトランクに監禁されるという事例が多い。そのため、トランクを内側から開けることができるレバーをつけることが義務付けられている。
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