アメリカで誘拐された時の脱出方法！
「バイバイっと！」

アルフレッドは面白そうに笑いながら開いていた窓からあたしのスマホを投げ捨てる。宙を舞い、地面に叩きつけられたスマホはバキッと嫌な音を立てた。

「な、何してくれるの！？あのスマホ、買い換えたばっかりなのに！！」

どうして関わったことがない生徒にここまでひどいことをされないといけないんだろう。あたしは怒りとショックが入り混じってアルフレッドを睨み付ける。でも、アルフレッドはだから何と言いたげな顔だ。

「きちんと弁償してもらうから！」

壊されたスマホを回収しようとあたしは窓に近づく。彼に完全に背中を向けた刹那、肩をアルフレッドに強く掴まれた。そして首に冷たく鋭利なものが当てられる。

「えっ？はっ？」

何が起こっているのか、さっぱりわからない。頭が真っ白になりかけた時、アルフレッドの声が響いた。

「首に当ててるのは本物のナイフ。俺と一緒に来て。嫌だと言ったらどうなるか……わかるよね？」

逆らったら殺される。抵抗するのは危険だと本能が警告し、あたしは震える声で「わかった……」と呟く。背後にいるアルフレッドが嬉しそうに笑っていると何となくわかった。
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