お隣さんは裏アリ王子
「お二人さん、遊ぼうか?」


ビクッとして振り返ると、そこには紗里奈と如月君。


「うん。行こ!」


そう言うと、私たちは近くの砂浜に持ってきたレジャーシートを引いて、そこにパラソルをたてた。


「じゃあ、俺と紗里奈で荷物見てるから2人で遊んでこいよ。満足したら戻ってこい」


如月君がそう言った。


2人で……。


ちょっと、嬉しい。


「サンキュ、斗真」


「ありがとう。じゃあ、これも預かっててくれる?」


私は、慣れるのが嫌だから自分の着ていたカーディガンを如月君に渡した。


「ああ。行ってらっしゃい」


「真奈、楽しんできてね」


「いってきます」


そう言って水瀬君の後を歩くとちょうど足の甲が浸かるくらいのとこで彼が足を止めた。
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