お隣さんは裏アリ王子
「真奈」


突然呼ばれて声のした方を見ると、水が顔にかかった。


「ちょっと、水瀬君!」


仕返しと言わんばかりに私も水瀬君に水をかけ返す。


そんなやりとりを続けていると、足が滑った。


「わっ、真奈!」


「きゃー!」


尻餅をついて水に浸かる。


その時水瀬君が腕を掴んでくれたけど、時すでに遅くなんなら水瀬君も濡れてしまった。


「あー、マジかよ」


そう言いながら髪をかき上げる仕草は、色気というか、うん、色っぽい。


「真奈、大丈夫か?」


「えへへ、ごめんね?」


「別にいいけど、髪濡れちまったな」


「まあ、これくらいいいの」


海だからという理由でポニーテールをした毛束の先の方が濡れていた。
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