お隣さんは裏アリ王子
「あんたみたいな人は、紗里奈とは釣り合わない」


これだけは、言いたかった。


「なんだと?」


げっ、怒らせた。


「ハハッ、真奈ちゃんよく言ったね」


背後から声がして、紗里奈の隣に影が落ちる。


「紗里奈が可愛くない?笑わせんな。お前みたいな奴じゃ、わかんねーだろーな」


「斗真……」


姿を見せたのは、如月君。


「こんな女のどこがいいんだよ。何考えてんのかわかんねー奴の」


ほんと、ひどい人。


「わかろうとしなかっただけだろ。さっさと本命のとこ戻れよ。二度と紗里奈に近づくな」


如月君は、今までに見たことないくらい怒ってた。


「ああ、わかったよ。もう二度と会わねーよ。じゃあな」


「ええ。さよなら」
< 111 / 231 >

この作品をシェア

pagetop