お隣さんは裏アリ王子

「あれ、あの名前……」


一通り、同じクラスの人を確認しようと視線を走らせるとそこにあったのは『水瀬圭』の文字。


お隣さんと同じ名前。


「ん？水瀬圭が気になるの？」


「あ、ううん。お隣さんと同じ名前だったから、同姓同名ってあるんだなって」


確かにあの人、同い年に見えなくはないけど流石にね。


そんな作り話みたいなことあるわけないよね。


そう思いながら、教室に入って席に着いた。


「あれ？君……」


あまりにも私が来たタイミングと重なってたから、思わず隣を見てしまった。


「あっ」


やっぱり、同姓同名じゃなかった。


「佐倉さん、俺、水瀬圭。覚えてる？」


「あ、はい。私、佐倉真奈です」