お隣さんは裏アリ王子
水瀬君は、あの子にご飯作ってもらうのかな……。


今日は、前に水瀬君が食べたいって言ってたハンバーグにしようと思ってたのに。


ため息しかつけない中、私は家に帰った。


朝ごはん以外、自分の家でご飯なんて食べないから、食材なんて冷蔵庫になくて。


そもそも食欲も作る気力もないからそのまま何も食べずにお風呂に入った。


お風呂から出る頃には、少しくらいお腹が空いてると思ったのに全然。


むしろ、嫌いなものでお腹いっぱいにした時みたいな虚しい満腹感。


考え過ぎか、偏頭痛までしてきたからもうベッドに寝転がって眠ることにした。


でも、目を瞑っても浮かんでくるのは、水瀬君とあの女の子の様子。


どれだけ自分の妄想を払っても、その事実は消えない。
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