お隣さんは裏アリ王子
結局ほとんど眠れないまま、朝日を見た。


カーテンを開けて差し込む光は、頭痛をより酷くさせる。


昨日、ご飯を食べてないせいで貧血を起こしてるのもわかる。


水瀬君はちゃんとご飯、食べたのかな。


そんなことを考えながら、学校へ向かう準備をする。


ゆっくり準備をしていたせいで朝ごはんを食べる時間がなかった。


クマは、少ししかないメイク道具で誤魔化した。


「はあ」


昨日からため息しか出ない私は、外へ出て家の鍵をかける。


マンションから出ると、前には紗里奈。


「おはよ。って、真奈どうしたの?」


私の顔色をすぐに見抜いてくれる紗里奈に泣きそうになる。


「紗里奈、大丈夫。お願い、見逃して?」


何かを察してくれたように隣を歩いてくれる紗里奈が優しい。
< 123 / 231 >

この作品をシェア

pagetop