お隣さんは裏アリ王子
学校に着くと、すぐに私たちの元へやってきたのは如月君。


一緒に海へ行って以来、如月君と紗里奈は普通に学校で話すようになった。


そして紗里奈は色んな表情を見せてくれる。


水瀬君を探せば、自分の席でぼーっと外を眺めてる。


なに、してるんだろう。


水瀬君に、聞いてみたい。


そう思って水瀬君の方は歩き出すとぐるりと視界が反転し、平衡感覚を失った。


視界がぼやける。


人の顔が見えない。


「真奈!」


あ、紗里奈の声。


「真奈ちゃん!」


これ、如月君の声かな。


「真奈っ!」


愛しい声がする。


水瀬君、みんなの前でそんな呼び方したら、本性バレちゃうよ?


重く沈む頭でそんなことを考えた。
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