お隣さんは裏アリ王子
少し待つとお客さんが入り始めて、水瀬君と紗里奈目当てのお客さんが殺到。


それに巻き込まれる形で私と如月君は忙しく教室内を駆け回った。


紗里奈も水瀬君もよくお客さんに絡まれてたけど、うまくかわしてた。


モテるから、成せる技だと思う。


「離してください!」


そう思っていた矢先、珍しい紗里奈の大声が響いた。


魔女の仮装をした紗里奈は腕を掴まれている。


テーブルには、男の人が2人。


ニヤニヤとした男の人を紗里奈が睨めば、握る力を強くしたようで紗里奈の顔は痛そうに歪んだ。


もう、見てられない!


「お客様っ」


そう言って出て行こうとすると、如月君に制される。


「お客様、うちの魔女に手を出さないでいただけますか?」


パイロットの服装をした如月君は、今までに聞いたことないくらい、落ち着いた声で言った。
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